ケニア、種を蒔く

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シガラガラの白昼夢

2ヶ月ほど前、キスム方面に出かける為、
シガラガラにあるこじんまりとしたマタツ乗り場に向かった。
そのマタツ乗り場はT字路にあるので、
乗り場に着く前にマタツが到着したのが見える。
自分がこの時向かっていた際もマタツが到着したのが確認でき、
車掌も自分を呼んでいた為、
小走りにそのバンに向かっていたのだが、
ふとマタツ乗り場の中央辺りに目をやると、
そこに少年が倒れていた。
体型的には10歳ぐらいだったろうか。
ただその奇異さはすぐに認識できた。
上半身はTシャツを着ていたが下半身は裸。
ズボンが辺りに脱ぎ捨てているわけでもない。
また足が普通だったら絶対曲がらない方向に向いていた。
そして、彼はピクリとも動いていない。
いつもマタツ乗り場前では、
呼び込み、バイクタクシーの運転手、
また仕事もないのか何をしているのか分からない輩達、
そういう人達がたむろしているのだが、
彼らもその倒れている少年に全く注意を払う気配もない。
自分は、彼を一瞥しただけでギョッとするほど驚いたので、
いくら日本人とケニア人が人種が違うといっても、
その普通ではない姿には当然彼らも気づくであろう。
あまりに驚き目が釘付けになったのだが、
マタツの車掌に急かされてすぐにマタツに乗せられてしまった。
その眺めていた間は5秒、10秒ぐらいとかなり短い時間だったと思う。

乗車した後すぐに出発してしまい見えなくなってしまったが、
あれは何だったのだろうと色々と車内で考えていた。
寝てただけか、それとも何らかの理由で気絶していた、
または少年の死体が放置してあったのか。
あのちょっとの時間だけでは何とも判断できないのだが、
何か苦いものが口の中に溢れてくる。
それというのも、以前ケニア人の友人から聞いた話がある。
ケニアでは昔からの風習で、
悪事を働いた人間、また不吉な存在だと周囲に思われている人間を、
リンチに合わすことがあるという。
「悪いことをした奴はそういう憂き目に会うんだよ。」
というふうに語っていたが、
その度合いについては、噂に聞くところによると死に至る場合もよくあるらしい。
今では当然ケニアも法治国家であるので、
一般的には犯罪人は警察に捕まり裁判を受け、
きちんとした手続きを経て罪を償うのがルールだ。
だがしかし、この法治国家になってから数十年が経った現在でも、
時たまこういうリンチ、私刑が今だひっそり、
しかし、確実に日常の闇では行われている。
数百年、もしくは千年単位で続いていた風習がちょっとやそっとの期間じゃ変わらない。
あの少年も何かを理由に周囲からそんな暴行を受けたのだろうか。

自分はあの光景を見た時、
何かをするべきだったのだろうか、それともしなくてよかったのだろうか。
立ち止まって様子を伺うぐらいしてもよかったし、
またはもっと近づいて確かめるべきだったかもしれない。
しかし、あまりにその少年が倒れている光景が自然というか、
辺りに数十人もの人がいるのに誰も彼を見向きもしていないというのが、
自分の思考を止めさせてしまった。
まるでデビィッド・リンチの映画のシーンのような、
何とも普通じゃない光景が自分を圧倒させたのは間違いない。
その週末、その事が頭から離れなかった。
目にしていた時間は長くても10秒、
未だにあの時どうすればよかったのか判断がつかないし、
あれは何だったのかも説明できない。

用事を済ませて翌々日にシガラガラに戻った時、
その少年の姿はマタツ乗り場から消えていた。



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by tanewomaku | 2012-03-28 05:23 | 日常

雨季到来

3月はじめ、ようやく雨が本格的に降り出した。
今年の乾季は本当雨が少なかったみたいで、
まさに恵みという感。
やはり、スコールあってのカカメガだ。



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by tanewomaku | 2012-03-24 04:15 | 日常

今年も春の大運動会

金曜日、学校にいったらクラスに誰もいない。
今回も必殺の週末3連チャンモードかと一瞬ガクッと気持ちが萎えそうになったが、
うん、もしや? と思ってグラウンドに行ってみると、
予想通り、今年の春の運動会を開催していた。
去年もこの時期にやっていたから、
もうそろそろあるんじゃないのかなと思っていたけど、
ああもう今年もそういう時期なのか。
一年が経つのが短いような長いようなね。
(去年の様子はここ)

去年は面白そうとウロウロとしていたら、
審判をやっていた先生に捕まり炎天下の中自分も審判をやらされるという苦い目にあったので、
今年は要所要所をテキパキと見てすぐに引き上げることに。
アスリート大国のケニアなので、
やはりこういった会になると燃える人々が出てくる。
見るからに体つきが凄いので、
見惚れてしまうほど惚れ惚れしたり。
ただ本格的に陸上競技を習っていないと見られ、
フォームなどはバラバラ。
投てきもよくそれで投げられるなと思うぐらい。
センス、または生まれ持った肉体のアドバンテージだけでこなしている感じ。
なので、そこまでスゲーと思う選手はいなかったが、
これがきちんと指導とトレーニングを受ければ、
とんでもない素材に変わるのかな。

相変わらずのほのぼのとした運動会であるが、
こういった雰囲気はやっぱり好き。



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by tanewomaku | 2012-03-24 04:11 | ケニア

お料理ナビで新規開拓

日本で一人暮らしをしていた時は、
色々と自炊をしようと試みたのだが、
これがなかなか忙しくて作れなかった。
その時は気合を入れなおそうと思い、任天堂DSで、
「喋る! DSお料理ナビ」と続編の「世界のごはん 喋る DSお料理ナビ」
を買ってきて、本格的に料理の勉強をしようと思ったのだけれど、
これも不発。
情けないなー、とずっと思っていたりした。
それとは別に、オーストラリアにワーホリ行くことに決めた後、
よし、この機会に精進してみようと一念発起し、時間もあったおかげで、
この時に素人の男の料理レベルまでにはなんとか仕上げる事ができるようになった。

そして今、ケニアに来てから
オーストラリア時代よりはるかに自炊に迫られている環境なので、
否が応にも自宅にいる時は毎日のように料理をしているが、
同じ料理ばかりを作っていたらさすがに飽きてきた。
そんな時、そういえば今回もお料理ナビを持ってきたなと思い出し、
ここ最近、それを見ながら新規メニューの開拓を色々と行いはじめた。
ここ最近は、ヒレカツにカルボナーラ、中華丼と、
初挑戦尽くしである。
なかなか作っていて当たり外れも多く、
美味しくできた時には感動、不味かった時には悲惨である。
というのも、ここ最近はダイエットがてらほぼ夕飯一食しか食べてないので、
この一食が不味かったら、一日の楽しみがほぼ全て吹っ飛んでしまうほどガックリきてしまうのだ。
そんな感じで新規メニューの開拓中だが、
一つ残念なのは、ここケニアではやはり手に入らない材料がけっこうあるということ。
日本食でよく使う、コンニャクやみりん、ダシとかならしょうがないのだが、
これがレモンとかパセリ、茸とかも見かけないのだ。
うーん、ここアフリカにも普通にあるものだと思っていたのだが、
なかなか貴重な品らしい。
ナイロビではあるかもしれないがここカカメガではとんと見かけない。
なので、レモンの代用をオレンジ、茸の代用をマッシュルーム、
みたいに凌いでいるのだが、
やはりその物自体を欲しいかな。



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by tanewomaku | 2012-03-14 02:54 | 日常

ケニアスタンダードなISO更新監査

自分が勤めている当シガラガラ技術専門学校。
なんと既にISO9001を取得しているとは知らなかった。
自分が赴任する3年前の2008年に取得済みということらしい。
そして先月末、その更新手続きをするということでISO監査が行われた。

ところでISOとは何かと言われると、
国際標準化機構(International Organization for Standardization)のことだが、
その9000シリーズは品質マネジメントシステム(QMS:Quality Management System)を取り扱っている。
詳しくここで説明するのはめんどくさいので、
もっと知りたい方は以下のウィキでチェックしてみてくださいませ。
 ・ISO
 ・Quality Management System

で、何をやるのかと思ったら当日はセレモニーが盛大に行われるという、
なんともこれがまたケニア的な催しになっていた。
責任者のスピーチから始まり校長のスピーチ、
それがご他聞に洩れず今回も延々にそんな感じ。
そしてその間にはスピーカーからダンスミュージックが爆音で流れてくる。
うん?、これってISO監査だよな、と日本人なら誰でも感じる当惑を抱えながら更に会が進んでいく。
周りの生徒も踊ったり騒いだりとお祭気分。
スピーチが終わった後は、
大会議室で職員、監査員一堂集まっての食事会。
ここでもスピーチが始まる。
普通の日本人サラリーマンが思う疑問は、
きっと監査の更新手続きのプロセスは一体どうなっているのだということであろう。
以前から当学科にISO監査をしに来たという話は聞いていないし、
学校全体でもそんな話は聞いていない。
たぶん監査人は現場のチェックはしてないと思うんだよな、
まあこれは実際に調べたわけではないので憶測だけど。
書類だけで手続き済んじゃうのか?
日本でISO監査のプロセスに立ち会ったことがあったのだが、
これがまあ大変だった。
あれやこれやと注文をつけられ、なんやかんやで半年ぐらい時間を費やしていた気がする。
それに比べると雲泥の差である。
ISO、QMSって、全世界同一基準じゃなかったのかな…?
そもそもQMS関連のイベントならこの会のスケジュールぐらい時間通りに進行しろよ、
とツカツカとMCか監査人へ詰め寄り、至極まっとうな提案をぶってしまいそうだが、
まあでも、通ったんだからいいか、プロセスじゃないのだ、
と今回は無理やり納得させてみた。
正直、日本でのサラリーマン時代はQMSを煩わしく感じていた面が多々あり、
この件に関してはあまり深く突っ込みたくないので。
というわけで今回のこの日は、お祭チックなQMS監査を楽しむことにした。
で会が終了した後、辺りを見渡してみるとペットボトルやビラ等のゴミが散乱している。
「全然QMSできてないじゃん」と、思わずエア突っ込みをしてしまった。
こんな感じのケニアのISO監査な日。



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by tanewomaku | 2012-03-10 06:53 | ケニア

国境の北、石の城壁

ケニア西部、タンザニア国境近くの町ミゴリ近郊に、
ケニア国内では知名度があるちょっとした遺跡があり、
週末を利用して遊びに行ってきた。

ティムリカ・オヒンガ(Thimlich Ohinga)と名付けられたその場所は、
ルオ語で恐るべき密林を意味する。
そうは言っても、現在は密林の面影がなく周りは田畑に囲まれてしまっている。
今から約500年前にとあるルオ族の王様が住んでいたお城跡で、
石造りの城壁がなかなかのものなのである。
まあしかし、今ではこの城壁しか残っていない。
この城壁の中に当時はルオ族の集落があったらしかったが、
その住居は土と藁葺きでできていたらしく、
そんなものは対応年数もそうあるわけではないから現代まで残るのはほぼ無理であろう。
なので、堅牢な石積みの城壁しか残っていない。
この城壁内に、ぽつんぽつんとは当時を思い知るものが残っており、
たとえば鉄の研石なんかが残っている。
言われてみないと分からないような代物には違いないが、
なかなか興味深い。

ここには、ケニアの国立博物館職員も常駐していて、
彼に案内をしてもらったのだが、
分からない事は分からない、とダイレクトに言ってくれるのが
なんともケニアらしく面白かった。
秘密の場所や道具、また分からないことがあっても、
分からないままにしておくということがケニアの流儀なのかも。
なんでもかんでも解き明かしてしまうより、
分からないことがあるほうが、
歴史をあれこれ想像できてロマンティックなのかもしれないね。

アフリカは他の大陸に比べ有史になってからの遺跡があまりないのだが、
そんなレアな代物を見に来るのもおつなものかもしれない。
有名なケニア国内の史跡では、フォート・ジーザスやゲデ遺跡みたいなものがあるが、
海洋文化を受けてかコーストサイトに集中している。
ケニア西部、それもルオ族というのがけっこうツウには惹かれる要素である。
ツウといっても、"ケニアツウ"、"ルオツウ"、どっちをとってもマニアックには違いない。
比較的容易にこの遺跡にアクセスできる方は、
1度ぐらいは見といても損はないと思う。

ティムリカ・オヒンガの詳しい説明はこちら



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by tanewomaku | 2012-03-10 05:56 | trip

こんな家に住みたい

森の人、カトー家には猿がやってくる。
どうやら餌付け(?)に成功した模様で、
レッドテイルの次郎がやってきてから、
色々と猿がやってくるようになったみたい。
ドアを開けていたら中に入ってきたりするし、
また壁を舐めていたりもする。
この壁舐め、どうやらミネラル分を取っているんじゃないか、
ということだが果たしてどうなのだろう。
でも一番はパンのエサやり。
千切った食パンを投げると彼らがキャッチする。
これが見ていてすごく楽しい。
またパンを握って渡す振りをすると、
猿が指を一本一本まさぐってパンを奪い取ってゆく。
これが見ていてとても可愛いんだ。
自分も、いつか猿がエサをもらいにやってくるような森の家に住みたい。



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by tanewomaku | 2012-03-03 20:57 | ケニア

ヒヒの威嚇は怖いよ

カトーさんと森を歩いていたら、
木の上にバブーンごとヒヒに遭遇。
どうやら若いオスらしくこちらを威嚇してくる。
木をユッサユッサ揺らしたり、
こちらに向かってキーッと唸る。
俺の縄張りに入るな、みたいに怒っているのかな。
ヒヒはある程度大人になると落ち着いてきて、
人間が側によっても平気みたいなのだが、
若いヒヒはどうやら血気盛んだそう。
腕や顎の力は相当あるので、
噛まれたら大ごと。
きっと食い千切られるぐらいなことになるはず。
なーんで、執拗以上にヒヒは怒らせないことが肝心。



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by tanewomaku | 2012-03-03 20:51 | ケニア

新鮮な気持ちで森に入る人々

後輩隊次がカカメガ・フォレストに来るということで、
それにジョインさせてもらった。
初めて来た人が多いせいもあってか、
そういう人達の驚きは感動を見ていると、
こっちも嬉しくなってくる。
なかにはコースト側であるケニア東部から来た人もいるので、
ケニア西部の鬱蒼とした森はどう思うのだろう。
この時期乾季なので緑が明るかったのだが、
今度は雨季の森にも来てほしいな。



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by tanewomaku | 2012-03-03 20:47 | ケニア

2012年の前期隊員総会

2012年度前期の隊員総会が2月の中旬に行われた。
今回は交通安全対策会議も含まれていた為、
1日半の会議であったが、これがなかなか良かった。
普段の活動に関わる問題のグループディスカッションやら、
協力隊全体に関わる話し合いなんかが行われたけど、
悩んでいることや問題が共通していることも多く、
そういう意見や解決法を共有できたことが、
今後に役立ちそう。

またJICAに対する動議・発議を上げられたするのだが、
そこで繰り広げられる意見の応酬がなかなか参考になる。
面白かったのが、
来てまもない若い隊次と活動に入ってからある程度時間が経った隊次の、
考え方の違い、意見の違いが興味深かった。
こういうのが、フレッシュな考え方とか経験に基づいた考え方、
とかの違いになるんだろうな。

隊員総会、色々な意見があり、
1年に1回でいいという人もいるけど、
自分は1年に2回の方に1票。
活動期間が2年と限定されている中では、
半年に1回の意見交換ぐらいがちょうど活動にもうまく反映されるのではないだろうか。



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by tanewomaku | 2012-03-03 20:43 | ケニア